子どもと親権第5話:暗闇の中の一筋の光

兄の言葉と、現実的な一歩


そんな中、兄が心配して家に来てくれました。
僕の話をひと通り聞いたあと、兄はこう言いました。

『諦めないで、まず仕事を探して、地盤を固めたほうがいい』

そのときの僕は、正直、何をやってもうまくいかないような気持ちになっていて、前向きな言葉を素直に受け取れる状態ではありませんでした。
それでも、『いまの自分には、何一つ“土台”と言えるものがない』ということだけは、はっきりと分かっていました。

兄の言葉は、絶望の中で、かろうじて現実に引き戻してくれる一本のロープのようなものでした。

絶望の中で浮かんだ最後の望み


絶望のどん底にいたとき、ふと一つのことを思い出しました。
知り合いだったからこそ、逆に話しづらくて、ずっと避けていた相手がいました。

それは、僕が以前通っていた空手道場にいた、弁護士の先生でした。
『最後の望みとして、N先生に相談してみよう』
そう思ったのです。

さっそく連絡を取り、知り合いのN先生に会って、これまでの経緯をすべて話しました。
N先生はしばらく黙って話を聞いたあと、こう言いました。

『親権を取れる確率は、半々だね』

その言葉を聞いたとき、『ゼロではない』ということが、僕にとっては大きな救いでした。

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