妻のパート先で知った事実
行方不明になってから一週間ほどたったころ、僕の叔母が家に来ました。
妻のパート先に知り合いがいるらしく、その人から話を聞いたと言います。
叔母の話によると、僕が一度、妻のパート先に『妻は来ていますか』と聞きに行ったとき、実はその時点では、妻はそこで働いていたそうです。
けれど、先方からは『来ていないと言ってください』と頼まれていたと聞かされました。
さらに、僕がパート先に行った翌日には、妻はその職場を辞めて来なくなった、ということも分かりました。
その話を聞いたとき、ショックでしばらく何も考えられませんでした。
『ここまでして僕から隠れようとしていたのか』という思いと、そこまでして子供を連れて行ってしまったことへのやり切れなさが、一度に押し寄せてきました。
義父への不信感と、続く捜索の日々
その後も何度か妻の実家を訪ね、義父に状況を尋ねました。
けれど、義父は『全然知らない』と、あくまで平然とした様子で答えるだけでした。
僕は、妻のパート先での話を聞いたあと、そのことを義父にも伝えました。
それでも義父は『俺は知らないから。連絡があったら電話するよ』と言うだけでした。
その態度を見て、僕は『初めからある程度のことは知っていたから、行方不明でも平然としていられたんだろうな』と感じました。
それでも僕は、探すのをやめることができませんでした。
仕事は休みがちになり、会社にも迷惑をかけてしまい、次第に職場に行きづらくなっていきました。
最終的には、会社を辞めざるをえない状況になってしまいました。
それでも、子供のことを思うと、毎日のように自転車であちこちを探す日々が続きました。
手がかりは何一つ見つからないまま、時間だけが過ぎていきました。
調停かもしれないと知ったとき
妻と子供がいなくなってからも、僕一人ではどうしていいか分からず、友人や先輩に相談を続けていました。
相談していた友人もいろいろ調べてくれて、『もしかしたら、親権を取るために調停に持ち込もうとしているのかもしれない』と言われました。
その言葉を聞いたとき、愕然としました。
あの日、『子どもは、おいて出て行きます』と言っていた妻が。
ふだんから子どもの面倒をあまり見ず、話しかけることも少なく、正直、子どもへの愛情が薄いというより「ほとんどないのでは」とさえ思っていた妻が。
そんな相手が、親権を取るために動いているかもしれない。
当時の僕は、『調停』という言葉の意味すら知りませんでした。
『親権を取るために調停に持ち込む』と言われても、具体的に何が起こるのか、何をされるのか、まったくイメージがつきませんでした。
コメントを残す